罪な女

その子は西宮北口から乗車して来た20前後のお嬢さんであった。
レンギスと云うのかスパッツと呼ぶのか知らないが、
薄い薄い生地の黒い股引を穿いていた。
多くの場合その上にスカートを穿いたり昔で云うシミーズみたいなのを着ているので、
レンギスのお尻が見えてもOKと云うのが現代における暗黙の了解らしい。
その子も一応スカートらしきものを纏っていたが、超ミニだし生地も薄かった。
それが何かの拍子でめくれ上がったのだろう。
正面からだとレンギスの股間が丸見え状態なのだ。
しかし彼女は一心不乱に携帯でメールを打っているので気が付かない。
そのうち、背中をドアに凭れ掛け腰を前に突き出すような格好になった。
そして電車の揺れに連動するように腰が前後に動き出した。
もう、3Dで観たアバターより迫力があった。
声こそ聞こえなかったが車内の男達は全員「おーっ」と歓声を上げたはずである。
クドいようだがそれでなくても薄い薄いレンギスの生地である。
そう云う姿勢を取ることによって更に濃淡が強調され、
下着の色・柄・形状までがはっきり浮き出たのである。
・・・もちろん浮き出たのはそれだけではなかった。



やがて電車は十三に着き、その子は携帯を睨みながら降りて行った。
車内には男達の熱いため息だけが残ったのである。