緑地公園のCSN&Y

76年頃だったと思うが、
大阪は服部緑地の近くに「4Way Street」と云う喫茶店があった。
店名からも分るように、所謂ウエストコースト系のレコードがよく掛かっていたが、
音量も大き過ぎず店内も清潔だったりでロック喫茶然としてなくて、
音楽目当てではない客も入り易かったようだ。
店の人も馴れ馴れしくなく、良い意味で放っておいてくれるので居心地が良かった。
昨夜、その「4Way Street」でピザを食べている夢を見た。
一緒に居たのは北千里プールの監視員のバイトで知り合った、
二つ年上のサーファー岡本芳明さんと彼女の有子さん。
よく晴れた日の午後で店内も明るい日差しが溢れていた。
二人の様子からすると交際を初めて間もない頃らしく、
何でも無いことに一々大笑いして実に無邪気で楽しそうだった。
夢なのに、いや夢だからだろうか、
僕はその後二人が結婚することも別れてしまうことも、
更には岡本さんが若くして亡くなってしまうことも知っているのだが、
そんな胸の内を覚られまいと一生懸命話を合わせながらピザを頬張ってた。
アンチョビがとても苦かった。

実際に二人とあの店へ行ったかどうか覚えていないがイメージ的にはぴったりだ。
明るい午後、珈琲カップから立ち上る湯気。
それとあのアルバムのアコースティックギターの音。
初々しいサーファーのカップルがよく似合う店だった。